仕事の詳細
アニメーターとは、演出家などが書いた絵コンテを元に、実際に絵を描いて、動画を作り上げてゆく仕事だ。動画を作成するのに必要なコマを、カットごとに作画監督が担当し、アニメーターが手書きで、あるいはCG作成ソフトを使ってつくっていくことが多い。
劇場用アニメ作品などでは、1人のキャラクターを1人の担当者が担当することもある。ラフの段階でアフレコが先にされて、その声のイメージに合わせて自分なりに工夫しながら詳細な作画を考えていくこともある。キャラクター担当になると、細かい動きも任されることがあり、監督/演出家と連携を取ることもより多くなる。
アニメーション制作会社には、テレビ放映作品が中心の会社と、劇場用作品が中心の会社がある。また、3D CGアニメーターとして、ゲーム業界や映像制作会社などで働く道もある。ゲーム業界では作品中に使われるアニメーションの作成だけではなく、ポスターの作画や広報用のイメージ画を担当することもある。映像制作会社に入ると、テレビ番組やCMなどで使われる映像を制作することになる。
また、デザイナー職間の異動は敷居が低いため、本人のスキルと希望に応じて、アニメーターからCGデザイナー、キャラクターデザイナーへと業務内容が変わることもよくある。
新しいセンスが常に求められる職業なため、新人が入り込む余地は大いにある。とはいえ、作業スピードも求められるため、学生時代にインターンシップなどを通して、どれだけ自分のスキルが上げられるかが、就職のカギになるとも言える。
キャリアステップと年収イメージ
1~2年目:動画マン(見習い)
新人はまず動画マンと呼ばれる仕事を割り振られることが多い。先輩が描いた原画を基に、原画の間をつなぐようにたくさんの絵を描いて動きを付けていく。また、ラフに描かれた原画を清書して、仕上げてゆく役割を任されることもある。
与えられた仕事をこなしながら、スピードや正確さなどのスキルを向上させてゆく時期。納得できるものが完成したときや、先輩からほめられたりすることで、作品に関わっている実感が得られ、モチベーションが上がってゆく。
年収イメージ : 180万円~300万円前後
3~5年目:原画マン or 動画検査
動画マンとしてスキルやスピードが認められると、原画を任せられるようになる。この段階になると、自分の描いたものが視聴者の目に触れているという実感がずっと大きくなる。
絵コンテを元に背景や動きのレイアウトを描き、キーポイントとなる原画を仕上げることになる。演出家や作画監督と打ち合わせをする機会も多くなる。
また、作品を通して1人のキャラクターを担当することもあり、作品が出来上がったときの充実感は一際大きくなる。
一方で、動画マンの管理職的役割である動画検査になる人もいる。動きの管理も作品のクオリティを大きく左右するため、やりがいのある仕事と言える。
年収イメージ : 300万円~500万円前後
6~10年目:作画監督(チーフアニメーター) or 美術監督or 撮影監督
作画監督は、キャラクターごと・カットごとに制作された画の動きや表情に、絵コンテの内容や演出意図が反映されているかをチェックし、必要に応じて修正していく。作品中の統一感を持たせるために必要な役割だ。1つの作品に複数の作画監督が存在する。原画マンや演出との打ち合わせも多い。原画マンを育てる役割も担っている。アニメファンの間での知名度も上がってくる。
美術監督は原画の背景の責任者。撮影監督は照明やカメラワークの責任者となる。
年収イメージ : 500万円~1000万円前後
11年目以降:監督or プロデューサー
アニメーターから監督やプロデューサーになる人も多い。アニメーター出身の監督は作画監督に近いことも行えるので、作品の質が管理しやすいという強みがある。アニメの監督は演出家と呼ばれることも多く、絵コンテから作品に関わり、作品の評価が監督の評価につながる。
年収イメージ : 800万円以上