イラストの線画はどのようにして描くとよいのでしょうか。この記事では、線画とはなにか、線画の役割を解説します。また、線画を描く手順や、クオリティが高い線画を描くポイント、線画が汚く見えてしまう原因なども紹介していきます。

線画とは?

イラストの線画とは、線だけで描いたイラストのことをいいます。アウトラインだけでなく、陰影や洋服のしわなども線で描きます。なお、ラフ状態のイラストを線画ということもありますが、ペン入れして清書した状態を「線画」と呼ぶのが一般的です。

線画の役割

線画にはおもに3つの役割があります。

  • 線の勢いや線のタッチでイラストをきれいに見せる
  • 色をつけるときに、塗り分けるための補助的な線
  • 陰影の一部

線画をきちんと描かないと、イラストのクオリティや魅力が半減してしまうのです。これらの役割を意識しながら線画を描くことで、線画が上達するはずです。

線画を描く手順

線画は、ラフを描いてから描くのが基本です。ラフを描いたあと、線画をどのようにして描くのか、その手順を解説していきます。

手順①ラフをもとにアウトラインを描く

まずは、アウトラインを描いていきます。アウトラインは、太い線で描くようにしてください。ただし、髪の毛の先などのディテールの細かい部分はアウトラインよりも細い線で描くとよいでしょう。細い線で描くことで、軽やかさや動きを演出できます。

手順②インラインを描く

アウトラインが描けたら、インラインを描いていきます。インラインは、内部や光の当たる部分に、アウトラインよりも細い線を入れていきましょう。インラインを入れると、立体感が生まれます。

手順③ベタを入れる

インラインを描けたらベタを入れていきます。ベタによって影を作ることで、線画だけで表現ができなかった立体感や強弱を付けることが出来ます。線画で表現できる箇所、ベタ入れが必要な箇所などそれぞれの役割を理解して使い分けると良いでしょう。

クオリティが高い線画を描くためのポイント

クオリティが高い線画には共通する特徴があります。その特徴やポイントを紹介していきましょう。

ポイント①線の強弱を意識しメリハリをつける

自分の線画を見てみてください。 線の太さがすべて同じではありませんか。線の太さがすべて同じだと、のっぺりとした印象のイラストになってしまいます。線画で大切なのは、線に強弱をつけて描くことです。アウトラインは太く、顔のパーツや服のシワ、髪の毛の先などは細い線で描くとメリハリがつき、立体感のある線画になります。また、太い・細いの強弱だけでなく、同じ線の太さでも濃い、薄いで強弱をつけることもできます。

ポイント②形・陰影を意識しながら描く

線画のクオリティをあげるには、形や陰影を意識することも大切です。ラフの段階でチェックしておきたいポイントは「きちんとものの形が捉えられているか」「形のバランスはよいか」の2点です。その上で、線画を描くときに、さらに形や陰影を意識しながらペンを入れていきましょう。とくに丸みを描くときには、カーブの頂点を細い線で描くと立体感が生まれます。また、影になる部分は、太い線を使ったり、ベタ塗りするのがおすすめです。

ポイント③手ぶれ補正を活用する

デジタルでイラストを描いている場合には、手ぶれ補正の設定をするのがベターです。線を描くときには、手ぶれによってよれよれとした線になってしまうこともあります。手ぶれ補正機能を使えば、自動的に線を滑らかにしてくれます。

【線の種類別】描き方のポイント

ポイント①直線の上手な描き方

直線を描くときのポイントは、手首を固定し、すーっと1回で描かずに数回にわけて描くことです。線の描き始めは描きたい太さで描き はじめ、描き終わりはそれよりも細くします。次に線を描き始めるときには前の描き終わりの細い線の部分に重ねて描きましょう。これを繰り返すと長い線をきれいに描くことができます。特に長い線を描くときには、きれいに描く難易度が上がります。力の入れ具合を調整しながら、数回にわけて描くようにしてみてください。

ポイント②曲線の上手な描き方

曲線は、柔らかい手首の動きを利用し、曲がり始める部分を意識しながら数回に分けて描くのがポイントです。曲がり始める部分は細く描き、次の線をその部分に重ねて描くようにするときれいに描けます。円を描くときには、4分割、もしくは8分割にして描くとうまくいきます。

ポイント③立体感などの効果を生む加筆

立体感をつけるには、影の表現が重要となります。線だけで影を表現するには、線に強弱をつけることが効果的です。光が当たっている部分は線を細く、影になっている部分は線を太くします。また、細かいディテールを加えるときには、細い線や弱い線を使って表現するとよいでしょう。

線画が汚く見えてしまう原因

線画が汚くなってしまうおもな原因は3つあります。次に挙げる原因に自分のイラストが当てはまっていないかチェックし、対処法を試してみてください。

原因①全体的に黒っぽい

線画が全体的に黒っぽいと、汚く見えてしまいます。黒っぽい理由は、線が太すぎること、影のつけすぎです。改善するには、線に強弱をつけてメリハリをつけることです。また、余計なところに影をつけていないか、確認して見ましょう。

原因②線が汚い

線が手ぶれなどによってがたついていると、線画全体が汚く見えてしまうことがあります。線をきれいに描くには、1度に線を引くのではなく、数回に分けて線を引くようにします。また、デジタルで線画を描いているのであれば、手ぶれ補正の機能を使うようにしてみてください。

原因③画面サイズの影響

デジタルで線画を描く場合、画面サイズが小さいと線が荒く見えることがあります。画面は適切なサイズで表示するようにしましょう。とくに細い線を描く場合は、画像サイズの長辺が4,000px以上の大きさに調整することをおすすめします。

線画の描き慣れた人の特徴とは?

線画の初心者と描き慣れた人には、決定的な違いがあります。それは、「頭の中で全体像を描けているかどうか」。頭の中で全体像を描けていると、無駄な線がなく、メリハリのある線画になります。仕上がりもきれいです。線画を書き慣れた人は、線画を描く前に全体像をイメージできているのが特徴です。

本格的に線画を上達させたいなら専門学校で学ぶのがおすすめ

線画を上達させるには、スキルや専門知識を身につける必要があります。たとえば、デッサン力や人体描画、デジタルツールのスキルなどです。これらを身につけるには、大きく分けて「独学」と「専門学校」の2つの選択肢があります。独学で学ぶ場合は、お金がかからないのがメリットですが、だれにも指導してもらえないため、個人レベルや知識に頼るところが大きく、上達に必要以上の時間がかかることがあります。また、変な癖がついてしまうのもデメリットです。

一方、専門学校で学ぶ場合は、習い続けるには一定のお金がかかるものの、その分野の知識・経験がある講師に直接指導してもらえ、添削もしてもらえるため、早く上達できます。線画をスムーズに上達させたいのであれば、専門学校で学ぶのがおすすめです。

きれいな線画が描けるようになろう!

線に強弱がついていて、メリハリがある線画はきれいに見えます。この記事で紹介したポイントに注意しながら、きれいな線画を描きましょう!

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