プロゲーマーになるには?仕事内容や年収・資格について解説!
爆発的に人気になっているeスポーツのおかげで、「プロゲーマー」という職業が注目されてきています。そこでプロゲーマーの仕事にフォーカス。eスポーツのゲームジャンルを紹介し、プロゲーマーの仕事内容やプロゲーマーになるための方法、必要な資格、スキル、平均年収などについて解説します。
世界で1億人以上の競技人口がいると言われる、eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)。ビデオゲームでの対戦をスポーツ競技の一環として捉えたもので、2022年のアジア競技大会では正式種目に採用され、ますます世界で大きな盛り上がりを見せています。
そんなeスポーツ人気の影響もあって、ゲームのプレイをプロとして行う「プロゲーマー」という職業も注目されるようになってきています。一般的に「プロゲーマー」の職業に明確な基準はなく、プロになるための条件もありません。
国内外で数多くの有名リーグがありますが、そのどれかを制すればプロと認められるといったこともありません。ただ、プロとアマチュアの線引きの目安となるのが、スポンサーと公式タイトルの実績です。スポンサーがついて支援を受けていたり、公式タイトルで実績があったりすると、プロゲーマーとして周囲から認められていくケースが多いです。
プロゲーマーとは?仕事内容を紹介
プロゲーマーの具体的な仕事として、次のようなものがあります。
1.公式プロリーグへの参戦
プロゲーマーとしてのメインの仕事は、やはり公式リーグ戦や大会に参加すること。自分の得意なジャンルの試合に参加して、上位入賞を目指していきます。eスポーツの大会は賞金金額が高額であることで有名で、賞金総額が30億円以上になる大会もあります。
2.チームへの所属
プロゲーマーの多くが、一般的なプロスポーツ選手と同様に、チームに所属します。そのチームで練習を行ったり、時にはイベントに登場したり、eスポーツの大会にゲストとして招待されたりすることもあります。
3.スポンサーの活動
有名アスリートに多くのスポンサーがつくのと同じように、プロゲーマーにも企業がスポンサーとして支援するケースが増えています。スポンサーがついたプロゲーマーは、ユニフォームにスポンサー企業のロゴをつけたり、スポンサー企業が主催するイベントに参加したりします。
4.ゲーム配信
プロゲーマーは、YouTubeやTwitchでゲーム配信を行っている選手が多いです。定期的に配信を行い、人気プレイヤーではその配信だけでかなりの収入を得ていると考えられます。
プロゲーマーの収入源
公式プロリーグ・eスポーツ大会参加による賞金
プロゲーマーのおもな収入源は、eスポーツで獲得する賞金です。
具体的には、国内外で開催されるeスポーツの公式プロリーグ戦や各種大会に参加し、優勝・上位入賞すれば、賞金を得ることができます。
近年では、公式プロリーグや大会の数が増えると同時に、賞金金額や開催規模も大きくなっている点が特徴です。以下が高額賞金を手にできるeスポーツの代表的な公式プロリーグ戦や各種大会になります。
・「Six Invitational 2019」:賞金総額約2億円
・「オーバーウォッチリーグ」:賞金総額約5億円
・「2018 World Championship」:賞金総額約7億円
・「The International 2018」:賞金総額約27億円
2019年に開催された「Fortnite World Cup」では、世界的なトッププレイヤーである16歳の少年が約3億円の賞金を獲得し、大きな話題となりました。
チームや企業所属による給料
プロゲーマーになれば、プロゲーミングチームや企業に所属することが可能です。所属できた場合、チームや企業から支給される年俸や給与が大きな収入源となります。以下が国内を代表するeスポーツのプロゲーミングチームです。それぞれのチームによって、特徴や得意ジャンルなどが異なります。
・Crazy Raccoon
・DeToNator
・DetonatioN Gaming
・REJECT
・忍ism(シノビズム)
・父ノ背中(チチノセナカ)
・野良連合(ノラレンゴウ)
・ZETA DIVISION
・Libalent
・SENGOKU Gaming
スポンサー活動による契約料
プロゲーミングチームやゲームソフト、公式プロリーグや大会などを支援する企業のスポンサー活動をおこなうことで得られる契約料も、プロゲーマーの大きな収入源です。
具体的な活動には、企業ロゴのユニフォーム掲載、イベント参加、メディア出演などが挙げられます。
以下が代表的なスポンサーとしてプロゲーミングチームや大会などをサポートしている有名な企業です。
・TOYOTA
・三井住友銀行
・ソフトバンク
・au
・SUBARU
・日清
ゲームのインターネット配信による広告収入
広告収入を得られるゲームのインターネット配信は、プロゲーマーの大切な収入源です。
実況中継や解説などによってプレイヤーやチーム、ゲームソフトの知名度が上がり、宣伝効果も期待できるため、多くのプロゲーマーがインターネット配信をおこなっています。人気がでれば、プレイ配信だけで十分な収入を得ることも可能です。
ゲームの国内インターネット配信は、以下のプラットフォームが主流になっています。
・YouTube
・Twitch
・Mirrativ
・OPENREC
・ツイキャス
・ニコニコ
eスポーツのゲームジャンルを紹介
eスポーツのゲームは、次の6種類があります。
1.MOBA
正式名称は「マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ」。2つの陣営にわかれた陣営が、敵の本拠地を攻めていき、破壊した方が勝者になります。有名なタイトルは、 「Dota2」や「League of Legends」。
2.FPS・TPS
FPSは「First Person Shooting」、TPSは「Third Person Shooting」の略です。FPSは、キャラクターになったつもりで操作し、敵を攻撃していきます。
オンライン通信で対戦も可能です。代表例は「VALORANT(ヴァロラント)」や「PUBG(PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS:プレイヤーアンノウンズバトルグラウンズ)」
「レインボーシックス シージ」、「Apex Legends(エーペックスレジェンズ)」、「Fortnite(フォートナイト)」。
大人数で同時対戦を行い、最後まで生き残ったプレイヤーが勝者となるゲーム「バトルロイヤル」もFPSに含まれます。TPSも攻撃していくゲームですが、キャラクターを一歩引いた視点で見ながらプレイします。
3.リアルタイムストラテジー
第三者の視点でキャラクターを操作しながら敵を倒していくゲーム。略称は 「RTS」で、有名なゲームに「StarCraft II」があります。
4.格闘
対戦型のゲームです。代表例は「ストリートファイター」。
5.対戦カードゲーム
オンライン上で行うカードゲーム。「デュエルマスターズ」などが代表例です。
6.スポーツ
サッカー、テニス、野球などのスポーツをプレイするゲーム。現実社会ではあまり知られていないスポーツなどもあり、ジャンルは多岐に渡ります。
プロゲーマーになるには?
専門学校で学ぶメリット
プロゲーマーになる場合、eスポーツの専門学校に通う方法があります。
新たなスポーツ競技として世界的な注目を集めているeスポーツなのですが、その技術や知識を習得できる専門学校の存在は、プロゲーマーを目指す者にとって大きな魅力です。具体的には、以下のような点が専門学校で学ぶメリットに挙げられます。
・プロゲーマーに必要なスキルを効率的なカリキュラムで習得できる
・現役プロゲーマーの講師から直接指導を受けられる
・eスポーツに関連する企業の目に止まりやすい
・卒業生が所属するプロゲーミングチームとパイプがある
独学で目指すメリット
eスポーツの専門学校へ通わず、独学でプロゲーマーを目指す方法もあります。
国籍・年齢・性別・学歴を問わないプロゲーマーの世界は、実績のみが評価される完全な実力至上主義です。
つまり、独学でプロゲーマーになることも不可能ではありません。以下のような点が独学でプロゲーマーとしてのスキルを磨くメリットに挙げられます。
・学費がかからない
・カリキュラムに捉われず、自分の好みや得意なジャンルのゲームを追及できる
・自分のレベルやペースで不得意分野を克服し、実力を養える
専門学校の選び方
eスポーツの技術や知識が学べる専門学校には、各校ごとの特徴や特色があります。
専門学校でプロゲーマーになるためのスキルを習得したい場合「どのような学校に、どのような目的で通うのか?」を明確にするべきです。
eスポーツの専門学校を選ぶ検討材料として、学費が挙げられます。学費の年間相場は100万円~150万円ほどであり、それだけの金額を払う価値が感じられる学校であるか否かを見極めなければなりません。
そのためにも、授業内容や講師陣、学習設備や施設の立地などを詳しくチェックしましょう。また、プロゲーマーやeスポーツ関連の仕事に就ける就職指導をはじめ、別分野への就職・進学といった方向転換を踏まえたサポート制度の充実や実績なども、専門学校を選ぶ際の大切な検討材料です。
プロゲーマーに必要な資格・スキル
プロゲーマーになるためには、特別な資格やスキルが必要でしょうか?資格については、取得するべきものはありません。一方、スキルについては、以下のようなものがあると有利になるでしょう。
ゲームスキル
当然ですが、プロゲーマーに絶対条件としてゲームスキルがあります。
言語能力
プロゲーマーが活躍するのは、日本国内だけでなく世界が舞台となります。そのため英語でコミュニケ―ションをとれるといいでしょう。海外のプロゲーマーと会話したり、ファンとの交流を楽しんだり、英語ができると活躍の可能性が広がります。
セルフブランディング力
公式リーグ戦などで活躍することはもちろんですが、光る個性があると注目度が上がります。プロゲーマーとして活動しながらYouTuberとして人気になったり、プラスアルファの魅力をアピールしていく力が必要でしょう。
ビジネス的コミュニケーション
プロとして生きていくためには、他のプレイヤーやスポンサーと情報交換したりコミュニケーションを図ったりすることはマスト。ビジネスマナーを身につけ、多くの人とつながる力が大切になります。
プロゲーマーの働き方
自由度の高いプロゲーマーの働き方は、個々によって大きく異なります。一般的な会社員と違い、決められた出勤時間や退勤時間、休日はありません。
極端にいうと「好きな時間だけ働き、好きな日数だけ休める」のです。
このように表現すれば、随分と楽な職業のように思えますが、実際に活躍するプロゲーマーの大半は、日夜ゲームのトレーニングや研究などに費やしています。
eスポーツの公式プロリーグ戦や各種大会の優勝・上位入賞を目指し、毎日10時間以上ゲームをプレイするプロゲーマーも珍しくありません。この点では、ほかのスポーツ競技選手と遜色のない練習量をこなしているのです。
また、国内各地で開催される公式プロリーグ戦や各種大会、支援企業や所属チームの広報活動などに参加するため、早朝から深夜に及ぶ長距離移動を余儀なくされることもあります。さらに、国外の大会やイベント参加になれば、各国の時差・生活習慣・コミュニケーションなど、臨機応変な対応力が求められるでしょう。
プロゲーマーの平均年収
プロゲーマーになると、どのくらいの収入が得られるのでしょうか?有名なリーグ戦で上位入賞を果たす実力があれば、賞金額に応じて収入もアップ。
日本のトッププロゲーマーの年収は、1億円以上と推定されています。ただ実際には、プロゲーマーの年収には大きな差があり、月収数十万円程度と一般的なサラリーマンと同等の年収の選手も多いと考えられます。または、固定の月収はないものの、個人活動で収入を得ている選手も少なくありません。
安定的に高額の収入を得られるプロゲーマーはごく一部の選手に限られているようです。
esportsの市場とプロゲーマーのキャリア・将来性
現状・市場状況
eスポーツの市場規模は、世界的にも年々拡大を続ける分野です。
日本国内を見ても2018年から「JeSU(日本eスポーツ連合)」が設立され、プロライセンスの発行も始まりました。数多くの大手企業がeスポーツに参入しており、市場規模は2020年度で約70億円にまで迫っています。
2026年度には500億円規模になるとの見込みです。プロゲーマーを目指す人も急激に増加し、その実力と実績を認められることで、有名プレイヤーや高額賞金を稼げる現状となっています。
キャリア・将来性
プロゲーマーを引退後も、チームのコーチやアドバイザーなどを目指すセカンドキャリアの道があります。
また、その実績を活かし、ゲームメーカーに就職するケースも少なくありません。具体的には、ゲーム制作に携わるプロデューサーやディレクター、デザイナーやシナリオライターといった職業です。さらに、YouTubeやTwitchなどのプラットフォームで活躍する配信者も選択肢のひとつに挙げられます。
世間的な認知度が高まるeスポーツは、将来性の明るい業界といえるでしょう