「イラストレーターになるためには、美大に行ったら良いの?それとも専門学校?」
という風に悩んでいる人がいるのではないでしょうか?
そこで今回は、イラストレーターの仕事内容・必要スキルなど、イラストレーターという仕事について解説します。

イラストレーターとは?仕事内容は?

イラストレーターの主な仕事は、Web、雑誌、広告、ゲームに使うイラストの制作です。ここからは、イラストレーターの仕事についてご紹介していきます。

広告やパッケージのイラストレーター

広告ポスターに使われるイラストや、商品の説明パッケージに挿入する挿絵などが、イラストレーターの仕事のひとつとして挙げられます。

テクニカルイラストレーター

「テクニカルイラストレーター」とは、工業製品のカタログや取扱説明書などに使われるイラストを専門とするイラストレーターです。

メディカルイラストレーター

「メディカルイラストレーター」とは、人体の解剖図など医療や医学関連のテーマでイラストを描く、専門的なイラストレーターです。

イラストレーターの仕事の流れ

雑誌や単行本には、さまざまなイラストが使用されています。また、商品のパッケージにも、目を引くイラストが使われていたりしますよね。

さらに、WEBサイト上でも、色々なサイトで魅力的なイラストが配置されています。

それらのような、挿絵となるイラスト、より親しみやすい演出をするキャラクター、商品名や社名などにデザイン性を加えたロゴなどを作成するのが、イラストレーターの主な仕事です。

具体的な仕事の流れは、下記のようになります。

①仕事の依頼をもらう

最初に「こんな媒体で使用したいので、こんなイラストを作成してもらえないか」という、依頼主(クライアント)からの発注があります。

すでに取引のある会社から再度発注があったり、ホームページなどから問い合わせがあり、新規で受注することもあります。

②仕事の詳細を打ち合わせ

次に、仕事の内容について詳しく打ち合わせをします。どんなイメージでイラストを作成してほしいか、イラストの点数、金額、納期についても確認します。

③サンプルの提出

打ち合わせした内容に基づき、サンプルのイラストを作成します。初期の段階でサンプルを確認してもらい、クライアントとのイメージのズレがないかをチェックすることで、その後の作業がスムーズになります。

④制作

サンプルのOKが出たら、本格的に制作をスタートします。納期に間に合うよう、計画的に作業を進めていきます。

⑤修正・追加

出来上がった作品をクライアントに確認してもらい、修正や追加などの指示があれば、対応します。

⑥納品

修正したものを再度、最終チェックしてもらい、OKがでればクライアントに納品します。

イラストレーターになるには?

イラストレーターになる一般的な方法は、美術系大学やデザイン専門学校で学んでから、一般企業に就職するというもの。

またイラストレーターはフリーランスで活動している人も多く、独学で目指すことも不可能ではありません。

しかしイラストの基礎や必要となるソフトウェアの使い方などは、きちんとマスターしておくことが大切でしょう。

美術系大学や専門学校などで学ぶメリット

イラストレーターになるため、美術系大学や専門学校などに通い、イラストに関する知識や技術を習得する方法があります。美術系大学や専門学校などで学ぶ最大のメリットは、イラストのスキルを向上させる環境や設備が整っている点です。具体的には、以下のメリットが挙げられます。 

・効率的なカリキュラムのもと、実践的なスキルを身につけられる

・プロの講師が直接指導してくれるため、自分のウィークポイントを克服しやすい

・毎日同じ目標を持ったクラスメイトと切磋琢磨できる

・就職時や転職時のサポート体制が充実している

独学で目指すメリット

美術系大学や専門学校などに通わず、独学でイラストレーターを目指す方法もあります。独学で学ぶ最大のメリットは、自分の都合でスキルアップを図れる点です。具体的には、以下のメリットが挙げられます。 

・学校のカリキュラムやルールに縛られず、自分のペースで勉強ができる

・通学の手間がかからない

・大幅に学費を抑えることができる

イラストを学べる!進学先の選び方

大学・短大に進学する場合

イラストを学ぶ場所として、大学や短大が進学先に挙げられます。

4年制大学の場合、美術系大学や総合大学の芸術学部にある美術学科・デザイン学科・マンガ学科などを選べば、効率的にイラストの知識や技術を学ぶことができるでしょう。短大の場合、学校や学部、専攻する学科などの選び方は、大学と大きな違いはありません。

ただし、イラストレーション学科・ポップカルチャー学科など、一般的な4年制大学と比べ、より専門的なスキルを習得できる学科も多い点が特徴です。

また、大学や短大に進学すれば、美術や芸術に関する歴史・理論・情報といった分野を幅広く学べるため、就職活動の際、イラストレーター以外の道を選択することも可能になります。

専門学校に進学する場合

デザイン系専門学校への進学も、イラストを学ぶための一般的な選択肢です。

大学や短大以上に、イラストレーターを目指すための設備・環境・カリキュラムなどが充実している専門学校は、同じデザインでも学校によって方向性が異なります。

具体的には、アニメや漫画に特化した学校、ゲーム業界での活躍を見据えた学校、出版・広告の知識や技術を習得できる学校など、さまざまな業界で活躍するためのデザイン系専門学校があり、さらに、イラストレーション科、コミック科、アニメーション科、ゲームクリエイター科など、学科もより細分化されている点が大きな特徴です。

また、現役クリエイター講師が直接指導する実践重視の高品質な授業で、着実にイラストレーターへの道を歩むことが可能となっています。

就職活動に関しても、アニメ業界やゲーム業界などとの太いパイプを持つ専門学校では、その実績とサポート体制で、イラストレーターの即戦力として有利に話を進めることができるでしょう。

民間スクールを受講する場合

イラストを学ぶため、民間スクールや通信講座などを利用する方法もあります。

民間スクールの場合、講師の直接指導を受けられるのですが、本格的なデザインスキルの習得に特化した教室もあれば、趣味の範囲でイラストを教える教室もあるなど、カリキュラムの方針・密度・品質が、スクールごとに大きく異なる点ため、慎重な選択が必要です。

通信講座の場合、本格的な内容を自分のペースで学べる反面、モチベーションの持続が難しいとされています。

イラストレーターに必要な資格やスキルは?

イラストレーターを目指したい場合、必要な資格や身につけておくべきスキルはあるでしょうか?

まず資格についてですが、イラストレーターに求められる資格はありません。しかし取得しておいた方がいいスキルがいくつかあります。

下に挙げるスキルは、早い段階から身につけておいた方が有利でしょう。

1.ユーザーのニーズをくみ取ることができる

クライアントから依頼を受けて制作したイラストは、多くのユーザーの目に触れるものになる場合が多いでしょう。

そのとき、そのイラストがユーザーのニーズに即したものでなければなりません。

例えば、商品の使い方を説明するイラストでは、ユーザーに親近感を持たせながら商品の使い方を正しくユーザーに伝えられる必要があります。

そのためイラストレーターは、イラストを見たユーザーがどんな情報を得るのか、どんな風に感じるのか、といったニーズをくみ取る力が大切です。

2.クライアントのニーズをくみ取ることができる

イラストレーターの仕事は、クライアントから依頼を受けてイラストを描きます。

そのためクライアントが、どのような目的でイラストを必要としているのか、そのイラストでどんな情報を伝えなければいけないのか、といったことを把握して、それに沿ったイラストを作る必要があります。単に絵が上手いというだけではなく、クライアントやユーザーの意向をくみ取る力が必要になります。

3.グラフィックソフトの使用スキル

デジタルイラストを描くイラストレーターの多くが、Adobe(アドビ)の「Photoshop」「Illustrator」を始め、「SAI」「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」などのソフトを使います。

そのため、これらのツールを使うスキルは、イラストレーターにとって必須。最初は使いにくいかもしれませんが、使っているうちに慣れていくはずです。

4.独自の世界観を作り上げる

イラストレーターにとってもっとも大切なのが、自分の作品で、独自の世界観やストーリー性をいかに表現できるかです。

画力が高いか低いかは、実はあまり重要ではありません。

高い画力が求められる場合もありますが、いずれにしても、オリジナリティのあるイラストが描けなければ、イラストレーターとして成功するのは簡単ではないでしょう。ぜひ、自分だけの世界観を作り上げてください。

イラストレーターと関連する資格

イラストレーターとして働く場合、特別な資格は必要ありません。また、基本的に学歴も重視されない職業です。

ただし、取得することでイラストレーターが取り扱うソフトウェアのスキルを証明できたり、実務に役立つ資格があります。

ここでは、イラストレーターと関連する資格の概要を見ていきましょう。

1.Illustratorクリエイター能力認定試験

「Illustratorクリエイター能力認定試験」は、グラフィック制作のソフトウェアである「Illustrator」の操作知識や技術を測る検定です。

この認定試験は、サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が主催しており、学歴や年齢を問わず、誰でもいつでも受験することが可能となっています。

試験内容は、知識問題と実技問題とに分かれ、知識問題が選択式、実技問題が実際にパソコンを操作して問題を解いていくシステムです。

認定基準は「スタンダード」と「エキスパート」の2種類があります。スタンダードは、実技・実践の2分野が出題され、試験時間は130分です。

エキスパートは、実技・実践・知識の3分野が出題され、試験時間は140分になります。合格率は、スタンダード・エキスパートともに約70%です。

2.Photoshopクリエイター能力認定試験

「Photoshopクリエイター能力認定試験」は、Adobeの画像編集ソフト「Photoshop」の操作知識や技術を測る検定です。

この認定試験も、サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が主催しており、学歴や年齢を問わず、誰でもいつでも受験を申し込むことが可能となっています。

試験内容は、Illustratorクリエイター能力認定試験と同様の構成です。

また、こちらも「スタンダード」「エキスパート」と2種類の認定基準があります。出題形式や試験時間は、Illustratorクリエイター能力認定試験と同じです。

合格率は、スタンダード・エキスパートともに約70%となっています。

3.Illustrator CC 2020| Adobe Certified Professional

 「Illustrator CC 2020| Adobe Certified Professional」は、Adobeの画像編集ソフト「Illustrator」の操作スキルを証明する資格です。

これは、Illustratorを開発・提供しているAdobe社公式の資格であり、ほかにも「Photoshop」と「PremierePro」の操作スキルを測る認定試験があります。

世界共通の資格になるため、日本国外であってもIllustratorの知識や技術を証明することが可能です。

試験問題は、選択問題と操作問題に分かれて出題され、合否の結果は、試験直後のパソコン画面に表示されます。試験時間は50分、合格率は非公開です。

イラストレーターの年収・キャリア・将来性について

イラストレーターの年収・キャリア・将来性について

イラストレーターとして仕事をする人たちの多くは、フリーランスで活動をしていることがほとんどでしょう。

しかし、著名なイラストレーターに関しては、個人事務所として法人化している場合もあります。まだ駆け出しで無名のイラストレーターのうちは、仕事をたくさんこなさないと生活するのが難しいこともあるかもしれません。

しかし、名前が売れて有名になると、イラストの単価も上がり、イラストレーターの仕事だけで生活することも可能です。

一流のイラストレーターになると、1枚のイラストで数百万円の収入を得られるケースもあるでしょう。

そのため、イラストレーターの年収にはばらつきがあるのが一般的です。

また、イラストレーターには、明確なキャリアパスがあるわけではありません。

イラストレーターとしての経験や実績を積んで、着実に仕事を増やしていき、イラストの単価を上げていく人もいれば、デビューしてからすぐに有名になる人や、年齢を重ねてから急にスポットライトを浴びる人もいるでしょう。

将来的にどのような形になるにせよ、イラストの腕を磨くための鍛錬や、感性を刺激する情報収集を怠らないことが大切です。

確かなスキルと独自の世界観を身につけ、イラストレーターとして成長をし続けることが、成功への最も効率のいい近道といえるのかもしれません。

イラストレーターにはどんな人が向いている?

イラストレーターには、次のようなタイプの人が向いています。

1.イラストを描くことに興味がある・好きな人

イラストレーターはイラストを描くのが仕事です。そのため、やっぱり「イラストを描くことが大好き」ということが大事。

また、どうやったらもっとうまくなれるのか、どうしたら自分なりのタッチや世界観が表現できるのかなどを、常日頃考えることも重要です。

そのうえで、適切な努力を継続できる人が、イラストレーターに向いています。

2.コミュニケーションをとることができる人

イラストレーターはイラストを描くことが基本ですが、クライアントやディレクターなどとやりとりをしながら仕事しなければなりません。

そのためコミュニケーションをとれる人は、イラストレーターとしても向いていると言えるでしょう。

3.誰かのためにはたらくことが好きな人

例えば商品パッケージでは、文章の説明だけではわかりづらくても、イラストがあるだけでずっと理解しやすくなったりするもの。

自分が描いたイラストが、誰かの役に立ったりしているものです。

そんなことに喜びを感じられる人は、イラストレーターの仕事にやりがいを持って励むことができるでしょう。

4.オリジナル性を追求・アピールできる人

世の中には数多くのイラストが生まれてきています。

イラストレーターはクライアントの意向にあわせてイラストを制作しますが、同時に自分のオリジナリティを追及することもとても大切です。

他の人にはない、自分の強みや世界観を持っていると、イラストレーターとしての価値や可能性が高まっていくでしょう。

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どんなイラストレーターを目指したいか、自分のなりたい将来像にあわせて、最適なコースを選びましょう。

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