ゲームやアニメ業界の職種のひとつ「モデラー・3Dモデラー」。この職種は、平たくいうと平面を立体にする仕事です。この記事では、モデラー・3Dモデラーになりたい、どんな仕事か知りたいという人に、仕事内容やモデラー・3Dモデラーになるルート、必要なスキルなどを解説。また、モデラー・3Dモデラーのキャリアステップについても説明していきます。

モデラー・3Dモデラーとは

モデラー・3Dモデラーとは、二次元の平面スケッチを、三次元の立体にモデリングする仕事を担う人のことです。モデラー・3Dモデラーがキャラクター、背景、モーションなどを3D化したものは、ゲーム、アニメ、映画、アプリなどに用いられています。

モデラー・3Dモデラーの仕事内容

モデラー・3Dモデラーの仕事内容は、

  • モデリング
  • テクスチャ作成
  • マッピング
  • ボーン設定
  • リギング

で、上から順に進めていきます。

モデリング

モデリングは、3Dモデラーのメインの仕事です。デザイナーから上がってきた2Dデザインイラストを、Maya、Blender、3ds MAXといった専門の3DCGソフトを使って3D化します。ゲームでのモデリングは、データ容量を少なくするために、ポリゴン数を抑えることを要求されることもあります。その場合、リトポロジーと呼ばれるポリゴンメッシュの再構築を行います。

テクスチャ作成

3Dモデルに貼り付ける画像のことをテクスチャといいます。このテクスチャによって、質感や色、光や影を表現できます。ハイクオリティなテクスチャを制作するためには2DCGのスキルが求められます。人やモノを描く訳ではありませんが、ある程度の2DCGのスキルを磨くことも必要と言えます。

マッピング

マッピングは、作成したテクスチャを3Dモデルに貼り付ける作業のことです。物体の質感、色などの細部を調整し、本物の質感を再現します。

ボーン設定

ボーンとは、3Dモデルの骨格のことで、その名の通り作られた3Dモデル(肉体)に骨を入れていくイメージです。ボーンが多ければ多いほど動かせる部分が増え、なめらかな動きを表現できます。

リギング

リギングは、ボーンの可動部分の設定のことで、骨の関節を作っていくようなイメージの作業です。回転軸やヒンジを設定し、3Dモデルに動きをつけていきます。例えば、私たち人間の人差し指には3つの関節があるので複雑な動きができますが、同じ指に関節が1つしかなかったら、細かい作業はとてもできません。このように、リグの設定とは、人物のモデルがよりリアルな動きができるようになるための重要な工程といえます。

モデラー・3Dモデラーになるには?

モデラー・3Dモデラーになるには、次のようなルートがあります。

  • 3DCG制作を学べる専門学校に通う

専門学校であれば、実習に力を入れているため、現場で生かせる技術を身につけることができます。学費が必要になりますが、実践的なスキルに加え、業界に特化した豊富な求人情報から仕事を選ぶことができます。学校によっては、その学校でのみ募集されている求人情報もあるので、業界とのつながりが密な学校を選ぶことが重要になります。

  • デジタル技術が学べる大学に通う

美術系や工学系のデジタル技術を学べる大学に通うのもルートのひとつです。ただし、専門学校よりも専門性に欠けるところが難点といえるかもしれません。

  • 独学でCGを学び、企業に就職する

専門学校や大学に通わなくても、独学でCG制作の基礎を身につけ、企業に就職する方法もあります。メリットとしては、学校に通う費用がかからない経済面が挙げられます。一方デメリットは、未経験者を採用する企業はほとんどなく、専門学校で学んだ学生と同等のスキルを身につけなければならないため、就職するまでに時間がかかってしまうことです。また、求人情報なども自分で探す必要があります。

3Dモデラーになるために必要なスキルとは

3Dモデラーになるためには、以下のスキルを身につけておく必要があります。

グラフィックソフトの使用スキル

デジタルスキルは必須です。とくに、CG関連のソフトウェアを使えるようにしておきましょう。3DC制作の定番ソフトには、Maya、3ds maxのなどがあります。そのほか、制作ソフトであるMODO、After Effectsや、スカルプトツールであるZbrush、SubstancePainterなども使えるようにしておくとさらによいでしょう。今後は、ゲームエンジンのUnityやUnrealEngine4の取得も求められる可能性もあります。また、3DCG制作現場で使われている画像編集ソフト、Photoshopの技術を磨いておくことも重要です。

デッサン力

イラストが描けなくても3Dモデラーにはなれます。しかし、平面を立体にするのが仕事であるモデラーには、デッサン力が必要です。デッサンでは、物の構造をとらえる力、表現力、観察力を養うことができます。これらは、モデリングに役立ちます。

空間認識能力

物や空間を立体的に捉える「空間認識能力」は、3Dモデラーには不可欠なスキルです。空間認識能力を身につけておくことにより、リアリティのある再現や、クオリティの高い表現が可能となります。

集中力、根気

モデラーの仕事は、パソコンに向かって作業をする仕事です。そのため、ひとつの作業に集中・没頭できることも、重要なスキルといえます。ゲームの世界観が1枚の絵で描かれた「イメージボード」と呼ばれるイラストや設定書を見ながらキャラクターを具現化したり、デザイナーから上がってきたイラストを、どう魅力的な立体に仕上げていくかを考えながら作業を行います。モデラーの仕事は、その後の工程やゲームそのもののクオリティにも大きな影響があるので、作業は非常に細かく、長時間におよぶことも多々あります。そのため、「絶対に妥協しない」という根気も必要でしょう。

モデラー・3Dモデラーのキャリアステップ

モデラー・3Dモデラーの一般的なキャリアステップとしては、技術を磨いてスペシャリストになるか、企業や制作会社で実績を積んでディレクターやプロデューサーなどの管理職になるか、フリーランスとして独立するかがあるでしょう。企業や制作会社でスペシャリストになれば、キャリアが安定します。また、自分の得意な領域で技術を極めることも、キャリア形成のひとつといえます。人物やクリーチャー、建物や武器、メカなど、自分の得意ジャンルを見つけ、スキルを高め続けるのもいいでしょう。CGディレクター、CGプロデューサーとして管理職に就く道もありますが、ものづくりの精神を大切にするモデラ―も多いので、技術職にこだわりを持って活動する場合も少なくありません。

ただし、モデラ―の仕事はハードなので、年齢的に体力・気力が伴わなくなってくることも考えられます。そのようなタイミングで管理職に就く人もいるようです。フリーランスとして独立する場合には、退職後にさまざまな仕事を獲得できるよう、技術を磨いておくことが大切です。そのうえで、人間関係の構築や人脈の獲得、自分の能力をアピールするためのポートフォリオ作成やSNS、YouTubeなどでの発信に力を入れるといいでしょう。ゲーム業界のモデラーの年収はというと、経験3年以内であれば300〜500万円程度です。大手企業のほうが高くなる傾向にあります。年収をアップさせるために、スキルを磨き、独立するのも一つの手です。

モデラー・3Dモデラーを目指そう

モデラー・3Dモデラーは、二次元を三次元にし、物や空間をよりリアルにする仕事です。そのため、デッサン力や空間認識能力に長けた人が向いています。3D技術は日常生活のいろいろな部分に活用されていることから、今後も3Dモデラーのニーズは高まる一方でしょう。また、ゲームやアニメーション業界の現場では優秀なモデラー・3Dモデラーが求められています。専門学校でモデリングを基礎から学び、業界で活躍できるモデラー・3Dモデラーを目指しましょう。

3Dモデラーを目指すならこのコース

3Dモデラーを目指すなら、バンタンゲームアカデミーの以下のコースがおすすめです。実践的なカリキュラムで、ゲーム業界から求められる3Dモデラーを目指しましょう。

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