「東京ゲームショウ」は多くのゲームクリエイター志望者が憧れるアジア最大級のゲームの祭典です。
9年連続の参加となるバンタンゲームアカデミーは、ゲーム制作を行う部活「Project G-Lab」の企画プレゼン会を開催しました。
『#コンパス【戦闘摂理解析システム】』のプロデューサーであるNHN PlayArtの林智之氏と同社プロモーションチームの本企画担当者のお二人を迎えて行ったプレゼン会。
メンバーたちのアイデアは、1,700万DL突破しているスマホゲーム「#コンパス」の開発者の目にどう映るのでしょうか。
Project G-Labはゲーム制作をゼロから自分たちの力で経験できる部活動です。プレゼン会に集まった学生は総勢15名。
リーダーをはじめ、プランナー、デザイナー、プログラマー、サウンドクリエイターなど、多彩な面々です。
バンタンアカデミーでは実習などで企業とコラボレーションすることも多く、ゲームの完成後に講評してもらうこともあります。
「東京ゲームショウ2023」における本プロジェクトは、企画段階から連携する初の試みです。
今回プレゼンしたゲームのテーマは「メンコ」。
もちろん普通のメンコ遊びではなく、来場するお客様に楽しんでいただくためのさまざまな工夫を考えています。
一つは「見た目に面白い」こと。
フィールドに二次元バーコードを仕込みAR(拡張現実)による派手な演出を想定しています。
また、メンコを投げる際の動きも、来場者の注目を集めるでしょう。
もう一つは「やってみて面白い」こと。チーム戦を採用することで一体感を味わえ、敗北感が少なめになるようなルールを作りました。プレイヤーにポジティブな印象を持ってもらい、SNSなどで「バズる」ことを狙っています。
プレゼンを終え、NHN PlayArtのお二人からフィードバックをいただきました。
「楽しませるための仕組みを深掘りしていて、感心しました。ただ気になるのは、ルールの複雑さ。一回きりのイベントなので、もう少しシンプルなほうがプレイヤーは熱中しやすいのではないでしょうか」
講評の後は、質疑応答タイム。企画の方向性やスピード感を持って制作するコツなどについて、メンバーから質問がありました。
ゲーム制作のプロフェッショナルである林さんは答えます。
「企画をブラッシュアップすることと納期に間に合わせること、どちらもプライオリティーが大事です。メンコの一番面白いポイントはどこか、自分たちがこのテーマで大切にしたいことは何か、優先順位をつけられるといいですね。チーム内でよくコミュニケーションを取ることも必要です」
東京ゲームショウ2023の開催日程は9月21日〜24日。9月上旬にはゲームプログラムを完成させる必要があります。
7月1日に行われたプレゼン会から約2カ月間、通常の授業と並行してハードなスケジュールをこなさなければなりません。
プレゼン会の後には、林さんに、ゲームクリエイターを目指すメンバーに向けたメッセージをうかがいました。
「ひとの意見を聞いて企画をきれいにまとめることも必要ですが、既存の枠にとらわれないユニークさも大切。若い方には自分のやりたいことを追求する大胆さも持っていてほしいと思います」
プレゼン会場の教室に戻ると、さっそく打ち合わせを行うProject G-Labメンバーの姿がありました。議論は閉館のアナウンスが流れるまで続いたようです。