【東京校】クリエイティブディレクター/ SSS by applibot代表高木正文講師が解説。デザイン分野のお仕事とは?入門セミナーを実施!
「バンタンゲームアカデミー2年制の卒業生です。サイバーエージェントグループで、SSS by applibotというスタジオに所属しています」と、ご挨拶する高木正文講師。
今回は、5月下旬に東京校で行われたセミナーをレポート。
- そもそも。ゲーム業界とは?
高木講師(以下同)「ゲームとは何でしょうか?」
受講生からは「エンターテインメント」「人と人を繋げるもの」といった声がありました。
高木講師「いいですね。でも、実はそれは、漫画、アニメでもできます。ゲームは、勝負または勝敗を決めること。守るべきルールがあり、環境または他人との相互作用に行われる活動です。勝負が決まる条件が必要ですよね。その条件や企画を考えるのが、プランナー。そのルールや環境を実装するのが、エンジニア。さらに、ゲームを視覚化することに関わるのがデザイナーで、それぞれの仕事は細分化されています。ときどき、『自分らしくキャラクターを描きたい』という人がいますが、それは、単に『絵を描きたい人』。そうではなく、プレイヤーに刺さるキャラクターだよね、ゲームに出てきたら強そう、という視点を忘れないで!」
ちなみに、ゲーム業界とは、ゲームを作る企業や個人全体を指します。大規模なゲーム開発会社から、中小規模までさまざまな組織が集まっています。ゲームのプラットフォームも、コンシューマー・PC・スマホ・VRなど幅広いです。また、ゲームセンターやボードゲームも「ゲーム業界」に、含まれます。
<AAA(トリプルエー)タイトルとは?>
「AAAタイトル、聞いたことがあるのではないでしょうか?膨大な開発費を投じて作られたゲームをAAAタイトルと呼びます。例えば、実際に約100億円という予算が投じられて制作されたタイトルがリリースされていますが、そのタイトルは世界累計売上高は40億ドル(約5224億円~5230億円)を突破したそうです。では、なぜ作るのか?それは、膨大な費用をかけても売上が期待できるから!です」。
ここからは、ゲーム業界にまつわる疑問に答えていきます。
Q. ゲームって遊びだけど、そんなに頑張って作る必要ある?
「結論から言うと、頑張って作る必要があります。なぜなら、もはやゲームは文化です。日本はコンテンツ大国。映画・音楽と同じように、日本が誇る産業のひとつです。また、経済・技術的影響も大きい。ということで、みなさんは、めっちゃ良い業界を目指しています!」
Q プロになって、ゲーム業界に入るにはどうすればいいの?
「答えは、学校や独学で学ぶこと。学ぶというのはつまり、実力をつけることです。専門校は各業界に特化したノウハウ、プロになるためのノウハウを教えてくれる場所で、就職をフォローします。美・芸大の場合、一般的に、自分の存在価値の表現し、作家性を伸ばす場所で、就職は本筋ではないように思います。対して、専門校は、好きを仕事にすることが命題です。ただし、これまでの小中高とは異なり、クリエイティブには正解がありません」。
- どうやったら就職できますか?
「皆さんが、目指す企業の扉をこじあける必要があります。人よりすごいもの、面白いものを作るのは、みんなの頑張り次第。そして新卒採用は、超ラッキータイムです。ぜひ、卒業し終えるまでに就活を終えてください。何人も見てきましたが、活発な人は就職が決まっていきました。是非、活発になってください」とアドバイス。
- 高木講師は、どんなクリエイター?>
まずは、高木講師のプロフィールをシェア。
2003年 バンタン電脳情報学院(現バンタンゲームアカデミー)2年制入学
2004年 スクエア・エニックス新卒入社(2年制後半)
2005年 バンタン電脳情報学院卒業
2006年 フリーランス
2018年 アプリボット入社
2019年 SSS by applibot設立
「ゲーム業界を志望する人は、年間約数万人いると思われますが、僕その中で就職できた1人です。『もともと、天才なんでしょ?』と思われるかもしれませんが、こんな感じでした。(入学当時の作品を紹介し)あまり、上手くないですよね?(笑)2年間で放課後は毎日、ファストフード店でクラスメイトと絵を描いていました。2年間でクロッキー帳12冊を描きました。授業を受けるだけで、普通に過ごすだけではもったいないです」。
晴れてスクエア・エニックスに入社されるも……「僕は天狗になり、1年で退社し没落します。2006年でフリーランスになります」。
対戦型トレーディングゲーム、3Dアクションゲーム、アクションRPGなどに携わり、2018年アプリボットに入社。
- デザイン分野を中心に職種を解説!>
早速、デザイン分野のお仕事を見ていきましょう!
- キャラクターデザイナー 「めちゃくちゃ人気です。叶えるためには、どうすればいいでしょう?人の数倍、描きましょう。絶対に、キャラクターを描くだけ、はやめてください。キャラクターも描けるし、3Dも描ける方が有利です」
- イラストレーター 「キャラクターデザインと、イラストレーターは違うお仕事です。イラストレーターは、数が必要です。上手く描けるのは重要で、キャラと背景の雰囲気がマッチしているなど、絵合わせができると強みになります」
- モンスターデザイナー「穴場で、オススメです。圧倒的に描ける人が少ないです。アクショゲームなど、敵の仕事はめちゃくちゃあるので、モンスターを描けると強いです。グロテスクなものからファンタジーまで、モンスターを描き分けられると良いです」。
- 背景デザイナー 「朝・昼・夜と時間帯を分けて場所を描き分ける練習をしましょう」。
- コンセプトアーティスト「コンセプトアーティストが仕事をするときは、企画の文章ができたてホヤホヤのとき。文章から絵に起こすための知識・技術力・スピード感も求められます」。
- 3Dキャラモデラ― 「3D分野は、就職に有利です。モデリングで数カ月、アニメーションに数カ月かかるので、イラストよりも多くのクリエイターが必要になるからです。背景モデラ―とキャラクターモデラ―は分かれています」。
他に、背景モデラ―、3Dエフェクトデザイナー、UIデザイナーについても解説しました。
<ちなみに。就職orフリーランスの違いは?>
「現在、世の中的にフリーランスが働きやすい環境ではありますが、個人的には就職から始める事をオススメします。フリーランスになるということは、現在活躍しているクリエイターと同じ条件で戦うことになります。しかし、会社員になれば大御所のデザイナーさんは仲間になります。これは大きいです。先輩クリエイターから意見をもらい、指導してもらえる機会があるのも会社員の特権です。また、新入社員はプロの卵として見てくれる場合がありますが、フリーランスの場合、仕事の発注者からはプロとして扱われますし、一人で向き合う必要があります。」
- デザイナーになるための重要なスキルは?>
「仕事をするために必要なスキルは、手を動かし、調べ、自分で考え、話すこと、聞くことが大切です。具体的には4つあります。
- 芸術的基礎力(構図・パースなど基礎的な能力)
- ツール(新しい技術の研究)
- デザイン力(論理的な思考)
- 審美眼(他人の作品を見る。良し悪しを判断できる力)
を習得してください。学生の時間は、一瞬で終わります。しかも、2年制はあっという間です。1年目から、フルスロットルで頑張ってください。思う存分、活躍してください!」とエールを送りました。業界を代表する現役クリエイターから、指導を受けられ、就活の実践的なアドバイスをもらえるのも、バンタンゲームアカデミーで学ぶメリットですね。