【東京校】IPコンテンツの制作・配信を行う株式会社Plott様特別講義をレポート!YouTubeアニメで求められるシナリオライティングとは?

東京校

ゲームアカデミーでは、企業様との実践的なお取り組み「産学協同プログラム」に力を注いでいます。今回は、株式会社Plott様の特別授業をレポートします。

クリエイターの採用、シナリオライターとして活躍する現役社員さんをお招きしました。

 

<スピーカー自己紹介>

(右)丸山瑞貴さん(20217月入社)「映像クリエイターやライターのクリエイター採用を担当しています。入社したのは去年7月です。最近は、APEXをやっています」

(左)乙原エマさん(20211月入社)「ゲームアカデミーは母校で、ノベル科を卒業しました。講師の方々には、大変お世話になりました。シナリオライターをしていて、担当チャンネルは『全力回避フラグちゃん!』と『秘密結社ヤルミナティー』です」とご挨拶。

<会社概要>

「株式会社Plottは、IPを企画、制作、プロデュースしている会社です。創業は6年と比較的新しい会社です。現在、従業員数92名で、8割以上が20代です。アニメ業界や個人制作で活躍していたメンバーが集まっています。」

 

<ミッションは?>

「本気のアソビで世界をアッと言わせよう。これがPlottのミッションです。誰よりも、創り手が楽しんでつくることで、オモシロイものが生まれ、見る人を楽しませることができると考えています」

3つのキーワード>

「私たちは、①心に目を向けよう②分かち合おう③やっちゃおう、というキーワードを大切にしています。ふと思いついたことを組織に投げてみる、相談しやすい環境です。その人がやりたいと思っているなら、是非やってみてという組織です」

 

<生んで・育てて・販売する>

「直近では『YouTube×アニメ』を中心にIP制作に取り組んでいます。20191月のYouTube『テイコウペンギン』のリリースから、現在までに8個のチャンネルを運営しています」

 

<なぜYouTubeからIPを創出しているのか?>

「かつては、週刊誌やライトノベルから生まれていたIPですが、時代に合わせたプラットフォームからも出てくるようになりました。例えば、『小説家になろう』や『漫画アプリ』。強いプラットフォームであるYouTubeからIPを創出することは、いわば自然な流れです」

また、メインの収入源は、広告・タイアップ、「ライセンス」であること。TVアニメと比較しても、版権、制作、販売まで自社で一気通貫してできるので、連携が取りやすいこと、制作者に利益を還元できること、などを強みとして挙げます。

 

<登録者数104万人。『テイコウペンギン』>

「『テイコウペンギン』は、Plott作品では初めてTVアニメ化した作品です。チャンネル登録者数は104万人で、『グラップラー刃牙』、『マイナビ転職』などコラボ事例も多数あります」

<注目のIP

「他にも、有名VTuberとのコラボも話題になった『全力回避フラグちゃん!』、『秘密結社 ヤルミナティー』、『¥満解決!閻魔ちゃん』などがあります。また、海外向けチャンネル『MONSTERS WORLD』を展開しています」

YouTubeにおける事業の成長>

「合計チャンネル登録者数は約351万人で、YouTubeアニメ企業として、No.1の登録者実績を誇ります。累計再生回数は約232500万回、月間では、最高1.7億回再生を誇ります」

<中長期戦略>

「中期の成長戦略として、今後も質の高いIPを創り、メディアにのせて大ヒットIPを創出していくことです。ぜひ、ゲームアカデミーの皆さんのお力を借りたいと思います。原作者になりたい人、大歓迎です。長期戦略としては、上場とIP20を掲げています。上場すると、人材とお金が集まるので、実現できれば大ヒットIPの創出にも繋がります」

<ホラクラシー組織>

一般的な企業は中央集権型組織であるのに対して、自律的に動ける組織「ホラクラシー組織」であることも特長。「簡単にいうと、役職がなく、全員がフラットな組織です。一人ひとりが意思決定をするので、自分の行動に自分で責任を負います。そのため、自律的行動が求められます。また、交流が非常に活発な組織で、クリエイターが働きやすい会社だと思います。自由さとフランクさには絶対の自信があります」と力を込めます。

 

YouTubeアニメのツボ>

YouTubeアニメにおいてポイントとなるのは、投稿本数、動画の尺、最後まで飽きずに視聴できる工夫です。僕たちが手掛けているのは5分から8分の作品が多いです」と解説。

YouTubeにおけるアニメコンテンツの変遷>

YouTubeのコンテンツは、3つのフェーズに分けて変遷しています。まず、テレビなどのプロコンテンツを移植していたフェーズ1、YouTubeに最適化した素人コンテンツの登場のフェーズ2を経て、現在は『カジサック』さんや『エガちゃんねる』などYouTubeに最適化したプロコンテンツの登場が見られるフェーズ3に入っています。これと同じ過程をアニメコンテンツも辿っていて、今はまさにフェーズ3への移行期です。YouTubeファーストなアニメは、未だ出てきたばかりです」

YouTubeアニメ変革期~最新トレンド~>

「最新トレンドとして、おさえておきたい作品がいくつかあります。その一つが『マリマリマリー』。ゆったりと流れるテンポ感でサブカルな世界観がクセになります。他にも、少年漫画初の作品が参入したりしています。視聴者にもYouTubeアニメを見る習慣が生まれていて、成長が期待できる市場です」

YouTubeアニメの執筆のポイント 1.シナリオライターの役割>

 

乙原さん「ウチの会社の場合、チャンネルごとにシナリオライターがいます。シナリオライターの役割は、次のようなことがあげられます」

  • 担当チャンネルの空気感、キャラクター把握

「そのチャンネルごとに色、空気みたいなのがあります。例えば『全力回避フラグちゃん!』なら、死亡フラグは必ず回収しないといけません」

  • 修正対応力「セリフを変えてください、などの修正の依頼が来たときも『良い作品になるなら、何度でも修正します』というスタンスだといいと思います!」
  • 発想力YouTubeは変化が早いです。飽きられないように新しいアイデアを発想することは大切です。何が流行っているのか、誰が人気なのか、アンテナをはってください」
  • コミュニケーション力
  • テーマ、企画書の意図を汲む
  • 視野の広さ「面白い脚本には、視野の広さが必要です。さまざまなジャンルへの理解があると強みになると思います」

他にも、「制作進行さんから、納品スケジュールをもらいます。シナリオは作品の最初を担うポジションなので、納期は厳守。ここを守らないと、全ての工程が遅れてしまいます」。

他に、キャラクター設定の深掘り、魅力的なストーリー展開を考えること、新しい視聴体験のシナリオ研究など多岐にわたります。

2.ワークフロー>

具体的な仕事は、下記のように進むそう。

企画・テーマ出しーーー プロット作成 ――― 脚本作成 ――― 清書で納品

<企画テーマ出し>

「まず、テーマシートへ記入し、各チャンネルのプロデューサーとテーマを選定します。チャンネルプロデューサーが企画書を作成し、プロット(筋書き・要約)作成に入ります。プロット作成は、企画書、テーマにそって校正されます。フィードバックと修正を繰り返して、脚本を練り上げていきます」

 

3.YouTube脚本のコツ>

気になるのが執筆する際のポイント。面白い脚本を書くために……

.10秒でつかむ「多くの人はYouTubeアニメを娯楽として見ています。なので、最初の10秒で視聴者をつかめないと離脱してしまいます」

2.セリフのテンポ感

3.キャラクターの一貫性「例えば、キャラクターごとに『クズだけれどたまにいいところがある』など設定があります。把握して、一貫性を持たせてほしいです」

4.離脱させない面白さ「離脱してしまうと広告が取れません。なので、無茶ぶりなんですが、毎秒、毎秒面白くないといけません」

5.絵としての面白さをイメージする「絵コンテを切るイメージで書いていってください」

6.サムネイルとタイトルから期待するものを意識する。

<メンバー募集!!Plott様のIPで、5分動画のシナリオを執筆!!>

最後に……「希望されるメンバー10名様に、アニメの一部設定資料・執筆マニュアルをお渡しします。そして、YouTube5分動画のシナリオを、指定のテーマにて執筆していただきます。内容によっては業務委託パートナー、インターンを検討させていただきます」というスペシャルなオファーを頂きました!メンバーからも、質問が寄せられました。

――― 脚本を書くうえで、いちばん大切な点は?

「キャラクターの一貫性です。IPは、キャラクターにファンがついてくれるかがとても大事です」とアドバイス。

シナリオライター、ノベル作家、ウェブライターなどを目指すメンバーにとって、自分の作品の評価を得られる素晴らしい機会。

ぜひ、シェアいただいた情報を参考にして、毎秒オモシロイ作品を執筆してください。

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