「亀山陽平です。よろしくお願いします」と、ご挨拶する本日のゲスト。ゲームアカデミー東京校の卒業生で、在学中に制作した「ミルキー☆ハイウェイ」は英語版・中国版も合わせると総再生回数500万回を記録。「すごいっすね!在学中に作られたことに衝撃を受けました」と、インタビュー役・斎藤ゆうすけ講師も絶賛します。今回は、スターOB亀山さんに「ミルキー☆ハイウェイ」制作秘話、在学中、就活のトピックについて本音で語っていただきます。
<テーマ1.「ミルキー☆ハイウェイ」の出発点は?>
- 曲と融合した映像(サウンドクリエイター専攻に依頼)
「就活を始めたら、卒業年の5月に内定をもらえました。せっかく手に入れた時間を無駄にできない!と思い、ずっとやってみたかった映像作品を作ろうとしました。それは、曲と融合した映像と、品のない会話劇を表現した作品です。アニメーションの歴史の本を読んだとき、『蒸気船ウィリー』が全米でヒットした理由は音楽と映像が融合していたからだと解説されていました。『音楽と映像には人を楽しませられる力がある』と思います。また、学内で授業の優秀成果物を展示する『VEE』(「VANTAN EFFORT EXHIBITION)で、サウンド専攻の作品の完成度が高いと知りました。ゲームアカデミーは生徒間の距離が近く、『VEEの作品すごかったね!』みたいな話からサウンド専攻のメンバーと意気投合。新宿のファミレスで、こういう映像を作りたいので、曲をお願いしますとお願いしました」
2.品のない会話劇(アニメ・声優専攻に依頼)
「現状、存在するフル3D作品は、家族みんなで見られるような上品なものが多くて。ナチュラルに喋っている人がいちばん面白いと思っているので、もうちょっとラフな感じで作りたいと思っていました。他の専攻に頼めば作品を作れる自由な校風だったので、声優科の学部にお願いできないか聞きました。この恵まれた環境を活かさなきゃいけないなと思っていましたね」
――― 色んな専攻があることを、上手く活かされていますよね!
「利用できる環境があったのはすごく有難かったし、ゲームアカデミーで良かったです」
――― 制作で、印象に残っていることは?
「アニメ・声優専攻のメンバーに、ナチュラルな喋り方は、逆に難しいと言われたことが印象的でした。それまで学んでいたアニメに準じた喋りをひっくり返すようなオーダーだったので、編集では、言葉と言葉の間を縮めたりして調整しました」
――― 他学部のやりとりで思い出に残っているのは?
「サウンド専攻には、3Dができる前の時点でイメージを伝えなくてはならず、コンセプトアートを描いて動画にまとめ『ここに、こういう音をお願いします』と注文しました。80年代のアニメソングなどを参考曲として依頼しましたが、最初にできたのが全然可愛くなくて……『ごめんなさい、これは違います』と意見しました。自分自身も、作ってもらうまで曲のイメージが予想できておらず、迷惑をかけてしまったこともあります」
――― でも学生同士のやりとりだから、遠慮なく意見を言い合えていいですよね。
「本当に仲間、戦友という意識になりました。最後まで粘ってにじり寄ると、ちょうどいいものができるんだなと実感しましたし、一緒に作っている感覚がありました。また、サウンド科の人も、CDジャケットのイラスを描く人を探していたので、こちらも画像を提供し、共生関係を築けてevenな感じでした」
気になるスケジュールは……サウンド専攻に曲を注文し5月後半に制作をスタート。6月、モデリング作業を続け、7月に「プロップ」と呼ばれる身の回りの物体の簡易的モデルを制作。8月に入って声優さん向け台本を作り、9月に声優オーディションを実施。
「声優さんのオーディションは、現場で笑いが生まれるくらい異常に面白かったです。声優さんの声に合わせて、キャラの性格を付けていくと、バランスが取りやすいのも発見でした。ですが……実は声優さんはなかなか決まりませんでした。声優専攻の授業スケジュールと自分の日程が合わなかったりして、スケジュールが後ろにずれこみました。制作進行も一人でやっていました。ここまでの規模は初めてだったので、危機感にもさいなまれました」
――― 9月から11月は録音して、モデルの演技を変えて……と、往復されていたんですね。12月は、いよいよ背景に?
「そうです。全体の中で、背景は重要性が低いと思っていました。また、2月に『卒展』という卒業展示のイベントがありました。卒展までに終わらせなきゃという責任感があったから続けられました。全部、自分の好きな要素ですが『好きだから』では続けられない瞬間が来ます。なので、目標を作らないと仕上げられないと思います。周りが決めたゴールがあることで、責任が生まれます」
――― SNSでの反響は?
「キャラに声を入れた数秒の動画を、定期的にあげるようにしていました。有名なイラストレーターさんからフォローバックされたことを、今でも覚えています。キャラクターがナチュラルに立ち振る舞うことが魅力として受け取ってもらえ、俺が目指す方向性が間違っていなかったという感動がありました。と同時に、気になっていたパートがあるので、声優さんにお願いして冒頭の会話を録音し直しました。講師からも圧倒的に良くなったと言われたので、こだわって良かったです」
Part2ではバンタンでの在学期間中のお話やポートフォリオ等のお話となっております\(^o^)/