22.02.15 22.04.14 更新

【東京校】株式会社タカラトミーより後藤悠太様をお招きして。「マジカパーティ」から学ぶ、ゲーム企画のポイントとは?

東京校
ゲーム学部
eスポーツ学部

2022年1月で創業98年の玩具業界のリーディングカンパニー・株式会社タカラトミーより後藤悠太様をお招きして、講演会が行われました。

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企業紹介、ゲーム作りのフロー、就職へのアドバイスなど、在校生(以下、メンバーと呼びます)が気になるトピックについてお話をいただきました!

<まずは、自己紹介から>

後藤様「今日はよろしくお願いします。僕は生き物が好きで、大学時代は生物の研究をしていました。生物だけでなく、ビーダマンや運動なども大好きでした。好きな生物学を楽しく広めたい!という気持ちで、2012年に入社しました」

2012年7月から翌年3月まで、おもちゃ屋さんをサポートする営業チームに配属。その後、カードフィールドチームに配属され、カードゲームの市場での売り方などを調査。次に、「デュエル・マスターズ」チームに配属され、マーケティングや開発を担当しました。

「2019年10月には、『マジカパーティ』の立ち上げに関わりました。

<タカラトミーグループとは?>

株式会社タカラトミーは、ベイブレード、リカちゃん、プラレールなどの玩具の企画・開発を行っています。従業員は少数精鋭ですが、世の中へ与えるインパクトは巨大です」と力を込めます。特徴として……◇ロングセラーのオリジナル商品を数多く有する

「トミカの累計販売台数は、なんと7億台以上です!プラレールやリカちゃんなど、長年愛されている玩具ですが、今も色褪せません。また、アナログ×デジタルへのチャレンジ、コンテンツの創出など、グローバルにもチャレンジしています」

◇トレンドや幅広い層に応じた商品ラインナップ(プリスクールなど)を展開している点がユニークです。

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<玩具ができるまで……>

玩具ができるまでのフローは、大枠で

企画→(デザイン、設計、見積もり、品質調査)→営業活動/プロモーションというフローになっています。

後藤様「商品仕様を決定したら、本生産へと移ります。そして、日本の倉庫へ納品され、玩具売り場にわたり、子どもたちの手に渡ります。」

<ゲームの企画とは?>

「企画とは、目的を『企て画策』し、それを達成するために逆算し、理想の仕様に落とし込んでいくことです。ゲームの企画もそれに漏れません。考えなくてはいけないのは……

◇誰に(企画)

◇いくらで(企画)

◇いつまでに(企画)

◇何のために(企画)

◇どうやって、どんなものを(仕様)

という点かなと個人的に考えています。どんなゲームも、遊んでくれる相手、消費者がいてこそ、成立します」

<「マジカパーティ」の場合>

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「『マジカパーティ』は、削るとカードが進化するカードゲームです。

ビジュアルコンセプトは『魔法&パーティ』で、世界観として、『派手・明るいパーティ感』を掲げています。

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「ゲームを遊ぶのに必要なのが、マジカカード、マジカギア、マジカブックのラインナップです。マジカブックは、カードを収納してコレクションしやすい仕様にしています。杖のマジカギアは、カードを削ってスキルを発動するときに役立つアイテムで、これらすべてに細かな仕様が検討されています」と、ここで、実物のマジカカードを一パックずつ配布。

後藤様「マジカギアという専用アイテムで削りますが、定規でも削れますよ!削れる場所はランダムになっています」

パックを空けると、メンバーたちは童心に返ったように夢中で削っていきます。

<多くの場合、追加で課題が出てきます>

「企画の要素を具体化したら、さらなる具体化を行い、課題を解決していきます。ルールの根幹として、小さな子でも親しみ深いジャンケンを考えましたがそれではゲームとして単純すぎます。ゲームとして深くしつつ、ジャンケン以外の戦略も加えたい。そこで、グー、チョキ、パー以外に2つの選択肢を追加し、使うカード毎に個性的な能力を加えることにしました。目指したのは、シンプルでエントリーしやすいけど奥深いゲームです。

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<キャラクターイラストやカード能力作成は、どのように進める?>
「自社でやることもあれば、他社のパートナーと連携することもあります。その中でもマジカパーティのキャラクターイラストは、外部の企業様と連携して作成する場面が多かったです。
例えば、クマのキャラクターの場合。
「自分から提出したラフデザインは、クマですが雄々しすぎないイメージでしたしかし、上がってきたキャラデザインはクマの力強さがかなり強調されたもので、イメージと離れてしまい、そこからやり取りを繰り返して出来上がりました。どうしても個人のイメージは1回で伝わりきらないことが多いです。キャラクターデザインの依頼書には、キャラクターのイメージや設定などを細かく書き込んでいましたが、繰り返しのやり取りの中でキャラクターデザインは整っていきます。」
花火×不死鳥の最高レアリティキャラの能力を作る場合、私からのオーダーは『最高レアかつ、派手なキャラなので不死鳥の特徴を残しつつアッと驚くくらい唯一無二で強い効果にしたい』と提案します。先方に提案されたのがこちら。テストプレイでは強すぎたので、テイストを残しつつ調整しました。」
最終的に企画が世の中に出たときは……「頑張って楽しいものを作ると、たくさんの子供達が楽しんでくれます。楽しんでくれている姿を見ると、さらに面白いことをやってやろう!という力が湧いてきます。自分が生物を学んでいたことなど、自分の人生を仕事に還元している感じなんです。様々な経験は、『し得』です」と断言します。

<気になる。就職活動について>

一般的な就活の流れは……

自己分析→業界研究→エントリー・説明会→エントリーシート提出→面接

となっています。「今の時期大切なのは、自己分析です。常に自分って何かを考えて。また、考えて終わらずに考えたことをノートに書いておいて。人に話すのもいいと思います。」

<自己分析の便利ツール>

「いきなり自己分析と言われてもピンとこないと思うので……自分を知るために、3つの観点から考えると個人的に便利でした。

1.なぜ生きているのか?……自分の根本を考える。

2.今と未来の社会……今、生きている世界と少し先の世界を考えてみる。

3.働いて生み出したい事……働くことは、学生とは真逆。何かを与えて、対価を得る。誰に、何を与えたいか?そして、自分に何ができるのか?

これをサイクルとして考え続けました。玩具は、世の中を楽しくできる業界です。今、納得できる場所にいて仕事をしているので、就活の時にしっかり考え抜いてよかったとふり返って思います。良い機会ですので、皆さんも、自分と本気で向き合ってみてください。」とエールを送りました。

<質疑応答!>

「自分はこの仕事でお給料をもらえて、すごく幸せです。皆さんも学校で学んでいる「ゲーム作り」の仕事ってすごく楽しいよと言わせてください」とメッセージ。

質疑応答では……

Q. カードゲームのレベルデザインで気を付けていることは?

「ゲームバランスが整っている前提ですが、レアカードが当たった時の喜びをより演出するために、レアなカードを能力的に強くする場合はあります。、最高レアのカードは当たった時に最高にうれしい強さにしてあげたい」

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Q. 今後、玩具やゲームがオンライン化していくと思います。「マジカパーティ」含め、カードゲームはアナログゲームですが、オンラインは競合になりますか?生き残っていけますか?

「いけると思っています。得られる体験が違うのかなと思います。デバイスで遊ぶことには、どこでも場所を問わず遊べるメリットがあり、アナログは、対面の大会や交流など、そもそも得られる体験が違うのかなと個人的には感じています」

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Q.就活で意識的に取り組んでいたことは?

「人と話をすること。身近な人間でもいいし、説明会で会った人に話を聞くのもいいと思います。そういった意味で、会社説明会も積極的に参加するといいですよ。就活生や人事の方々から様々なヒントを得られると思います。」

Q. 面接の最中に意識していたことは?

「どんな質問についても、『なぜ?』が3段階きても良いように答えを用意しておきました。グループ面接では、他の人の時間を奪わないことは心がけていました」と、一つひとつの質問に丁寧に答えてくださいました!

玩具業界、ゲームの企画から生産までのフロー、自己分析のコツまで、幅広い知識を得ることができました。

就活の準備としても、実りの多い時間になったのではないでしょうか。

後藤様、お忙しい中ありがとうございました!

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