「よろしくお願いします!Masuoです。YouTubeチャンネルを作ったのは8年前で、YouTuberとして活動してご飯を食べています。少しでも皆さんの役に立つことを話せればと思います」
とご挨拶するのは、もはや説明不要……UUUM所属のマルチクリエイターMasuo様です。
トークショーの進行役を務めるのは、アニメライター専攻を指導する、ライター斎藤ゆうすけ講師。
会場には、現役の学生YouTuberや配信者を志す学生が多く集いました。
Masuo様「みんなは、どんな配信をしているんですか?ゲーム実況が多いのかな。ゲーム実況は新しいタイトルが降ってくるし、撮影も部屋で完結するのでコスパがいいですよね!」
―――――― そもそも、YouTuberになられたのはどういったキッカケですか?
「高校を卒業して、東京に出てきました。当時は、スポーツトレーナーになりたくて専門学校に通っていました。隣の席に座ったのが、50歳くらいの元大手企業のプログラマーで、仲良くなったんです。彼は、ウェブで月に100万円以上稼いでいて、『すごいな、こういう生き方もあるんだな』と思いました。その時に、僕はどうやったらこの人みたいに、時間の切り売りじゃない生活ができるようになるか、真剣に考えたんです。そして、コンテンツを作らなければ、そうはなれないと考えました。その人はウェブサイトを作って生活していたので、僕もワードプレスでブログを始めたんです。Google AdSenseも入れてコンテンツをコツコツ溜めていきました」
針灸マッサージの学校を卒業後、英語はまったく喋れなかったもののカナダへ。
「カナダに1年間住んでいました。ブログは欠かさず書いていて、収益が入っていましたね。
HIKAKINは僕の幼馴染ですが、彼と話していたときに
『YouTubeの時代がきているよ!音声も伝えられるし、ブログの情報量を超えている』と言われたのがキッカケです。それなら、自分もYouTubeで活動しようかなと思って始めました」
―――――― なるほど。定期的に動画をアップすることは苦じゃなかったですか?
「何かしらの反応があるから楽しかったですよ。始めたときは針灸マッサージ師で、普通に本郷三丁目で施術していました。
でも、『マッサージ師じゃない自分もいるんだぞ』っていう立ち位置でYouTubeを続けていましたね。
毎日あげるのは、キツイですよ。ネタもなくなりますしね。でも、何かをしていないと、自分に何もない人間になりそうだったので、毎日頑張れたんだと思います。続けないと『こういう人だよ』っていうことも伝わらないと思います」
ここで、サプライズ。Masuo様の伝説の自己紹介動画を観賞することに!
「これね、罰ゲームです(苦笑)。どんなキャラでいったらいいのか定まってなかったから、変なキャラだし、変な口調ですし……。動画編集も上手な訳じゃないから黒歴史ですね」
―――――― 当時の自分にアドバイスをするとしたら?
「褒めるところとしては、とりあえずやってみたこと、一歩踏み出していることは評価します。今、ちゃんと食べていけるくらい稼げています。色んな人に、『YouTubeやりなよ』ってオススメしますが、実際にやるのは100人にひとり。下手くそでも修正していけばいいんです。スマホがひとつあればできるのに、やらない。もったいないです。作れば、ノウハウも集めやすくなりますよ。
僕も、初期は大変でした。
チャンネルを作った当初って、旅動画をあげたり、好きなマンガのレビュー動画をあげたり、色々試しました。
自分の経験が空っぽになるまであげようと意識して、もがき続けていましたね。どのジャンルの動画を作るかによって反応が違ったので、反応がいいものを上げるようにしました。
でも、それだけでは退屈だったので今日、コンビニでこれを買ったらうまかったよっていうのもあげました。
ゆるい動画も反応が良かったりするんですよ。そういうことを繰り返しながら、自分ってこういうものなのかもしれないな、というのを作っていきました。
皆さんは、プログラマーとか、e-sportsとか、やりたいジャンルが定まっているみたいで、羨ましいです」
―――――― 内容で、意図して変えてきたことはありますか?
「8年前、海外ではゲーム実況が熱いらしいと聞き、そのタイミングでゲームチャンネルを別に作りました。日本でもくるであろうゲーム実況を、他の人がする前に先回りしてチャンネルを作って活動するぞ、と。時代に合わせて、自分のやりたいことも折衷しつつやっていますね」
また、カナダに一人で旅した時の動画も観て……「旅動画をあげていたから、これまでに、韓国、シンガポール、アラブ首長国連邦の観光のお仕事をさせてもらいました。
観光して、動画をあげてお金をいただけるなんて最高ですよね。
色んなジャンルの動画をあげていたのも、今のようなYouTuberになれたひとつの要因かもしれません。何が役に立つか分からないですよ」
―――――― 情報収集のコツは?
「いちばんは、YouTubeかなと思います。YouTuber同士の情報収集は効率が良く、コスパがいいと思います」
―――――― 企画を養う訓練方法は?
「色んなものに触れている方が、アレンジ力が高いんじゃないかなと思います。なので、研究は大事。テレビは凄いですよ。あの方々、かけているお金も違うので!最近、じわじわ伸びるタイプの動画がめちゃくちゃ多いので、いつ見ても面白くて、季節性がなく、いい企画を作るというのもアリだと思います」
―――――― じわじわ人気が出る動画はどんなものですか。
「『ゼルダの伝説』かな。最初はそんなに反応は無かったけれど……。あとは、HIKAKINと愛媛に行ったのもじわじわ伸びていきました。いつもと伸び方が違うんですよ。最近、そういう動画が多くて、YouTubeの見られ方が変わってきている気がします」
―――――― このネタはやられたな~!という企画はありますか?
「東海オンエアの企画力はすごいですよね!企画力を保つために、ああいう風にチームでやるのもいいと思います。同じ志を持つ人と情報収集するのが大事だと思います」
―――――― モチベーションを保つ秘訣は?
「いちばんは楽しむこと。辛いなーと思ってやっている人は『超楽しい!』と思っている人に勝てません。大変なこともあると思いますが、楽しむことを忘れないで。楽しむ方向に自分をディレクションしてあげるといいと思います」
―――――― YouTubeをやっていて、良かったと思うことは?
「色んな所に行けて、色んな方に会えるのが楽しいです。憧れていた声優さんと作品に出るとか、有名なプロデューサーさんからゲームを依頼された、とかそういうことが実現すると思います」
<Masuoさんに、直接質問できます!>
ここからは質疑応答の時間。Masuoさんに直接相談できる、貴重な機会です!
―――――― YouTubeで自立できるほどになりました。ただ、自分のやりたいことと視聴者の求めているものにギャップがあります。そういう状況で、Masuoさんはどのようにしていますか?
「正直、僕もありますよ。すごくやりたいことをやるために、あんまりモチベーションがあがらないことをやることも。
視聴者が好きなものに、自分の好きなこと、やりたいことを上手くはさみながらやっていくといいと思います。すごい!YouTuber仲間で話すようなレベルの相談ですね」
―――――― YouTubeに力を入れています。昔の動画はあるのですが、今の自分から見ると痛い感じです。削除したほうがいいのか、非公開にするのがいいか意見をください!
「限定公開にしてもいいと思います。現役YouTuberでも非公開の動画はあると思います。消しちゃうのは勿体ないので、限定公開にてセルフプロデュースするのはアリだと思いますね」
―――――― 事務所に入るメリットは?
「メリットばっかりです。お仕事を受けるときに、個人でやるとめちゃくちゃ大変です。事務所に入ったからゴールとかではないですので、うまく使ってください」
―――――― 新規のYouTuberには、どのように視聴者がつきますか?
「ずっとあげていくと、ウケがいい!というものがあります。それに追随してファンが増えていきます。普通の商売とそんなに変わらないと思いますよ」
―――――― どういうコメントがくるか、怖くなかったですか?
「怖かったですよー!今は、慣れちゃいました。慣れる前は怖かったですし、アップするときは気を付けています。
意図せずして非難されたら、それはしっかり受け止めます。傷ついて辞めたら、それでおしまい。やるしかないですからね。
僕は、やらないよりもやってダメだったね、のほうが好き。
とりあえずやってみて、その失敗が後で経験としていきることもある。なので、やることが重要です!」と、ひとつひとつの質問に向き合い、丁寧に答えてくださいました。
最後に……「皆さんの、クリエイター活動の糧になればと思います。いちばん大事なことは全力で楽しむこと。ぜひ、好きなことに全力を注いでください!」と締めくくりました。
時代の波を的確にとらえ、試行錯誤を続けているからこそ、とても説得力のあるメッセージでしたね。
Masuo様からいただいたアドバイスを大切に、ぜひ自分の発信に活かしていってください。