こんにちは!バンタンゲームアカデミーです(^0^)
卒業式直前に行われたゲームアカデミー声優科の舞台『患者』をレポートします。
今回の講演会は、新型コロナウィルスの流行を受け、保護者のみ観覧可能となりました。
「本当は生で観かったけれど、見られなかった……」という人のために公演の様子&学生インタビューをお届けします。
<『患者』開演!>
看護婦・木村さん、技師・林さんが準備しているのは謎のマシーン。
ここは、とある病院。
田所医師が語り始めます。
「自宅3階のバルコニーから転落した日野亜希子さんですが、一命を取りとめました。しかし彼女の病気には不可解な点があります。
10日前の昼食後、自宅の窓の側に木村看護士に亜希子さんは座らせてもらいました。本数冊と小型テレビがありました。
木村看護士は家を出て、いつもの散歩に出かけました。すると、15時30分頃に悲鳴が聞こえて、転落した亜希子さんを妹の咲希子さんが見つけました。この時、同じ家には4人の人物がいたのです」
疑わしき4人の人物が病院の談話室に揃い、その時の状況を語り始めます。
夫・日野京介「なぜ、妻を一人にしたのかと私は自分を責めています……。私はその時、書斎で書類をまとめていました。外から悲鳴と物音が聞こえてテラスに出ると亜希子が倒れていたんです」
亜希子の妹・綾小路咲希子「姉さんは、病気のことを気に病んでいました。それに心を病むようなことがたくさんありました」
亜希子の弟・綾小路貴隆「午前中は競馬場に行っていて帰って昼飯を食って昼寝した。目覚めたのは、亜希子姉さんの悲鳴を聞いてから。起きてテラスに行ったらみんながいて……なんで、こんなこと繰り返し言わせるんだよッ!?」
日野京介の秘書・北川清美「私は日野さんから言われて調べ物をするように言われていました。声を聞き、急いでテラスへ出ました」
田所医師「ここに集まってもらったのは、ある実験を行うためです。あの日、何が起こったかを知る人はただ一人。今からここに、日野亜希子さんに加わっていただきます」
包帯でグルグル巻きにされた亜希子さんが入室。
田所医師「動くこともできない状態です。しかし見たり聞いたりすることはできます。また、亜希子さんの右手の指には、かすかに動く力があることを認めました。私たちが話しかけたことを聞き、理解していますか?『はい』の時は、ボタンを一度押してください。そして、『いいえ』の時はボタンを二度押してください」
赤い灯りがともります……。亜希子さんは話を理解しています!
謎のマシーンは亜希子さんとコミュニケーションを取るために開発されたものだったのです。
田所医師「16:30まで安静にすることになっていた?」ランプが一度灯ります。
田所医師「目を覚ましてバルコニーに出た?」ランプが一度灯ります。
田所医師「手すりにもたれて転落した?」
田所医師「でもバランスを失った訳ではない?」赤いランプが一度灯ります。
田所医師「誰かに押された?」赤いランプが一度灯ります。
田所医師「あなたを襲ったのは、家の中の誰かなんですね?」赤いランプが一度灯ります!!
しかし、事件のショックからか、亜希子さんは呼吸困難になり退室。
観客は息をのみ、どんどん物語の世界へと引き込まれていきます。
物語が進むにつれ、隠されていたそれぞれの犯行するに値する動機などが明らかになっていきます。
気になる結末は……!? ブログではお伝えできませんが、衝撃の展開で幕を下ろすのでした。
迫真の演技で、開演から終演まで観客を魅了しました。
舞台を終えて……晴れやかな表情を浮かべている演者たちにインタビュー!
<田所医師役・田向さん>
「台詞はとても長く、覚えるのはもちろん演じるのも難しかったです。練習では小倉講師に厳しくダメ出しをされました。でも、本気の指導があったからこそこの役について深く考え、役同士の人間関係についても真剣に考え抜くことができました」
————— 卒業講演を経験して良かったことは?
「僕たちの代は舞台の授業が多かったんです。芝居とはどういうものかを学ぶことが、声の芝居にも活かされると思います。みんなでひとつの作品に携われて一緒にゴールできたことも良かったです」
<妹・綾小路 咲希子役・清水さん>
「コスプレ部(ゲームアカデミー公認の部活)では少年役を演じることが多く、役を習得するまでに時間がかかりました。また推理小説がベースなので、長い台詞も覚えるのも苦労しました。とはいえ、自分とは真逆の女性を演じ切れた達成感がありますね。お客様からの反応をダイレクトに感じられたのが良かったです!」
<弟・綾小路 貴隆役・高瀬さん>
「いちばん苦労したのは役作り。放蕩息子で口もガラも悪いので役を掴むまで、台詞も思うように喋れなかったんです。1年次は『役の気持ちが大事』と言われてきました。でも、最終学年はどこで足しどう引き算するか、もう一段高いレベルの演技が求められたと思います。僕たちのクラスは舞台演劇に進む人、声優養成所に入る人、フリーランスで芝居をする人など進路もさまざま。芝居に対するスタンスや、舞台での演じ方も違いがありましたでが、それの個性が結集できたことは良かったです!」
指導してきた小倉講師は「専門生の講演は『発表会』になってしまうことが多い。でも、そうじゃないんだよってことを伝えたかった。今、映像に自分で音を吹き込むこともできるので、声優を『デジタルな感覚で』捉えている人も多いですが、それも違う。抑揚をつけてそれらしく言えばいい訳ではないんです。そのことを、ようやく分かってくれたのではないかと思います」と評価しました!
声優科卒業生達の集大成は、とても心に響くエンターテイメントでした。
卒業後は、それぞれのフィールドで、日本中の人たちに感動を届けてくれることを期待しています!