19.11.13 22.04.14 更新

いいクリエイターには、エゴがある。SAOゲーム総合プロデューサーの二見鷹介氏来校!

大阪校
ゲーム学部
eスポーツ学部

10月27日、バンタン大阪校で、話題作『ソードアート・オンライン』(以下、SAO)シリーズのゲーム総合プロデューサーを務める二見鷹介さんによる特別講演会が開催されました。

なお、二見さんはバンタンゲームアカデミーのOB(第4期)でもあります。

「ゲームプロデューサーはクリエイターが作った作品を商品に変え、商売をする人。ユーザー・制作チーム・会社をWin-Winの関係にすることを目的に、より多くの人に楽しんでいただけるコンテンツ作りを目指しています」

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そんな自己紹介からはじまり、仕事の大まかな流れからゲーム業界で生きていく心得までをお話しいただきました。

―― ゲームの企画立案をするうえで大切なことは?

「コンセプト、ターゲット、クオリティーのバランスです。まず大切なのが、『何を伝えたいのか』『何を作っているのか』を端的に示すコンセプト。僕もバンタンにいた頃に『自分のやりたいことや企画を一言、二言で説明できないと相手にはわからない」と叱られましたし、制作現場でもよく言われることです。

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ターゲットをどこまでイメージできているかも大事ですね。例えばSAOの場合、年齢は15歳、家に帰ったらPCでアニメを観て、ニコ動に書きこんで……といった具体的な人物像まで想定したうえで、計画を立てていきました。ゲームがいろんな人に遊んでもらう商品である限り、必ず届け先があるんです」

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―― プロデューサーから見た、いいクリエイターとは?

「僕が思ういいクリエイターは、エゴがあり、作りたいもの、伝えたいことが明確です。だから基本的に、自分を曲げません。制作過程ではけんかをしながらも、目的を再認識してもらえるように話をするので、1回の打ち合わせで4~5時間話すこともざらですね。経験上、才能がある人にはコミュニケーションが苦手な人が多いです。話すときに全然目を合わせてくれないこともありますけど、作品に表れていればいいんです。

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あとは僕の希望もこめて、スケジュールを守ってくれる人。キャリアが浅く、名声も経験値もないのであれば、いいものを期日までに出すことで信頼度が高まって仕事が来やすくなるかなと。ただ、天才的な人ややりたいことが明確な人とは、それを度外視して仕事をしたいとも思います」

―― ゲーム制作はチームプレイ?

「チームを説得できなければ、(ゲームをプレイする)何百万人にはなおさら伝わりません。僕もよく『目の前の俺ひとり説得できないんだったら、この企画はやめたほうがいいよ』と言いますが、伝えたつもりでも伝わっていないことはよくあります。伝わっていないのなら、いろいろと工夫しながら伝わるまでやればいい。とにかく、自分が変わらないといけないんです」

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―― 最後にメッセージを

「ゲーム業界はすごく楽しいですよ。ただ、自分が楽しまず、注文どおりに作る作業に終始するとつらいと思います。『上司にこうしろと言われたから』などと言い訳をするのは、ユーザーのことを考えていない証拠です。コンセプトやターゲットが明確で、自信を持って自分の制作物を提案できる人と、僕は一緒に働きたいですね。

ところで、年に一度、ゲーム業界に残っている5~6人のバンタン同期と情報交換をしています。そういうつながりを得られたことが、バンタンに入って一番よかったと思うところ。ここで過ごす2年間で得たつながりを大切にしていると、結果的に自分のためになると思います」

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二見さんの言葉は、自分の手で未来を切り拓いてきた人らしい力強さに満ちていました。学生たちにとって得るものが多い講座だったのではないでしょうか。二見さん、ありがとうございました!

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