こんにちは!バンタンゲームアカデミーです(^O^)
「小さい頃はジャッキー・チェンの映画や初期のゴジラなどが好きでした。
押井守監督の影響を受けて、アニメがやりたい!アニメしかないと思うようになり、
中学生くらいの頃には通販でセル画を買って、自力でトレース台と撮影台を作って、友達を集めてアニメ制作ごっこをしていました。」
生い立ちからアニメ制作への熱意が垣間見えるのは、バンタンゲームアカデミーのウシロシンジ講師です。
言わずと知れた大ヒットアニメ「妖怪ウォッチ」監督のほか数々のアニメ作品の演出を手がけられています!
「アニメ業界に入る前はゼネコンで数年間現場監督をやっていました。
現場監督は年上の職人さんやいろんな立場の人を巻き込んで仕事をしないといけなくて、
その頃の経験が今の演出や監督の仕事に役立っているとも言えます。」
今日の特別授業に集まったのは就活中の2年生や3年生の在校生たち。
早くて1年後にはウシロ監督と現場で仕事をする学生も出てくるかもしれません。
そんな学生たちに、ウシロ講師ならではの視点でアニメ制作や演出、監督の仕事について語っていただきました!
<演出の具体的な仕事内容とは?>
上がってきたシナリオから絵コンテを起こすという作業がまずあります。
こういう作品、こういう背景、こういうキャラクターがあってどういうふうに映像を作っていくかを詰めたら、
カット数の数をテクニカルに抑えつつクリエイティブ性と両立させて絵コンテを作っていきます。
そこから作画さんや撮影さんに細かい指示を出していきます。
一見どうでもいいような部分でも見せ方によって全く変わってしまうので、いつも細心の注意を払います。
作画、撮影、編集に至るすべての工程できめ細かくチェックし、
監督の意向とすり合わせもして、作品がバラバラな方向性やクオリティにならないようにするのが演出の仕事です。
<演出をするときに気をつけていること>
とにかく自分が面白いと思えるかどうかでしょうか。
自分が面白くないことって他者にとっても面白くないんですよね。
自分すら良いと思わないものを、他の人が良いと言うことはほぼないです。
少なくとも自分自身が面白がったり良いと思えないと、それ以上の良さなんて人に伝わらないですから。
ちなみに僕自身は相手に何かを伝えるとき、出てきた言葉を反芻した上で口に出すようものすごく注意しています。
というのも人は思う以上に傷つきやすいからです。
「僕がいいと思うものはこれだけど、あなたがいいと思うのはこれなんだね。ではどうしていこうか?」というふうに伝えることで、
自分も相手も不用意に傷つけないようにしています。
とはいえ業界の中には、悪気はないけど「いやーこれ、ダメなんだよね」みたいな言い方をしてしまう方もいるかもしれません。
そういうときは言葉尻に惑わされず、絵コンテの中に書かれている真意を読むようにしてください。
また、みなさんも相手に真意が伝わるようなるべく表現方法を工夫してみてください。
そうすれば現場の雰囲気ももっといいものになると思います。
<イメージが浮かばないときの打開策>
最近は表現方法で悩んだときに、youtubeなどで参考になりそうなものを検索することが多くなりました。
自分が面白いと思ったものについて、どこが面白いと感じたか、どういう表現にハッとしたかを分析するうちに打開策につながっていきます。
ちなみにネットが発達する以前は、例えば「カメラ」というキーワードから連想を広げていく作業をしていました。
「手持ち」「黒い」「レンズ」「高そう」など関連する言葉のリンクを広げていって、アニメ表現に落とし込むんです。
このときに形容詞や副詞に焦点を当てると、表現に様々な応用がきくのでとても便利ですよ!
<画力よりも大事なもの>
絵が上手な人が評価されるのはしかるべきことですし、作品や会社によっては一貫して画力を求められる場合もあります。
アニメに携わるなら画力があるに越したことはないのは事実ですが、
画力よりも「何を見せたいか」「どうしたいか」が具体的に絵コンテに書かれているほうが大事だなと経験上思っています。
「どうしたいか」が書かれていないと、何がしたいの?と相手も困惑してしまいます。
「こういうことが言いたい」「こうしたい」を現場の人たちと共有できれば、もっと絵の上手な人がさらっと描いて助けてくれることだってあります!
ちなみにアニメ業界は、会社をまたいで仕事をすることが当たり前の環境なんです。
なので画力もそうですが、どう表現したいかを伝える力があれば、アニメ業界内のどこででも生きていけます。
これはこの業界の利点とも言えるでしょう。
就活中の学生にとって、リアリティのある濃い内容のお話を聞くことができましたね。
引き続き自分を信じて就活に取り組んでください!
ウシロ講師、本日はありがとうございました!